定本 種田山頭火句集 夜長に酒を飲みながら
古い友人がはるばる持ってきてくれた郷里の酒を飲んだ。美味い。「月が酒がわたし一人の秋かよ」という気分で山頭火の句集を読み返してみた。懐かしい句もある。新しく気が付いた句もある。
分け入っても分け入っても青い山
また見ることもない山が遠ざかる
落ち葉ふかく水汲めば水の澄みやう
砂丘にうずくまりけふも佐渡は見えない
月夜あかるい舟がありその中にねる
かみしめる餅のうまさの夜のふかさの
少し酔へり物思ひをれば夕焼けぬ
山のふかさはくちつけてのむ水で
月のさやけさ酒は身ぬちをめぐる
寝床までまんまるい月がまともに
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