2017年4月5日水曜日

茨木のり子 「一本の茎の上に」

詩人の茨木のり子さんの本があちこちの文庫に入っている。岩波文庫の詩集でこの人のいろいろな作品に触れることができるようになったのはありがたい。 ちくま文庫「一本の茎の上に」は小ぶりのエッセイ集だ。冒頭の表題エッセイでは日本人の顔に南方系やら、大陸系やら、様々なパターンがあることに軽妙に触れた上で、ユーラシアとのつながりについての思いが書かれている。

「晩学の泥棒」というエッセイが面白い。この詩人が50歳を過ぎてから韓国語学習にのめり込んだ辺りの秘密を解く鍵が隠されているようだ。金子光晴についての「女へのまなざし」、吉野弘についての「祝婚歌」、山本安英について書いた文章などどれも素晴らしい。

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