2014年10月6日月曜日

西原理恵子 「パーマネント野ばら」

西原理恵子「パーマネント野ばら」は漫画というよりもすてきな絵本だ。わたせせいぞう風の、吉田秋生風の抒情的な表紙絵がすばらしい。途中からすごい展開になる。2004年から2006年にかけて「新潮45」に掲載された作品だ。人それぞれで好き嫌いがありそうだ。この大人の絵本は菅野美穂主演で映画化された。母親役を夏木マリが演じた。この人は「絹の靴下」の頃も懐かしいが、齢を重ねた今も素敵だ。フィリピンパブのママを小池栄子が演じた。映画「草原の椅子」での演技が印象的だった記憶がある。

西原さんの書いたものをもっと読みたくなったので帰省していた時にジュンク堂で探してみた。漫画本のコーナーにはなかった。「パーマネント野ばら」は新潮文庫に入っていた。角川文庫に「いけちゃんとぼく」「サイバラ式」が入っていたので3冊買ってきた。「野ばら」の新潮文庫の後ろ表紙に「可愛くて神聖なきらきらをすくいあげた、抒情的作品の最高傑作」とある。好きな人は中毒になるくらい好きになる。そういう作品だと思う。

九つめの物語の中に「流した涙のかずだけ、人間は大きくなれるんだよ」というト書きが入る。五木ひろしの歌った「二人の夜明け」と共通する世界だ。作詞した吉田旺という人はちあきなおみのレコード大賞受賞曲「喝采」も作詞している。「それでもわたしは今日も恋のうた 歌ってる」。

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